勝負脳の鍛え方
- 作者: 林成之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/21
- メディア: 新書
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・人間には自分を守りたいという自己保存の本能があります。
しょっちゅう叱られていると、脳は苦しくなって、脳地震を守るために叱っている人の話を受け流すようになる。
その状態が慢性化すると、だんだん人の話を真剣に聞かない脳ができあがっていく。
つまり、逃避脳を作り出すことになる。
さらに問題なのが、脳を守る自己保存の反応は、とくに子供において出やすいということ。
叱ってばかりいる両親のもとで育った子供は、人の話をよく聞かないことで自分の脳を守っている。
親はよい子に育てようとして叱っているつもりが、じつは子供をだめにするように育てているという落とし穴にはまっている。
したがって、指導者は、苦しい作業であっても、失敗した理由をひとつひとつ丁寧に教え、
その具体的な解決策を明らかにして訓練させることが大切。
・〜日本人は勝負弱い民族か?〜
草や穀物を主食とする草食動物は、集団で行動して敵と対抗する方法で身を守っている。
これに対し肉食系の動物は、一般に単独行動をとる傾向が強い。
人間も草食系の民族には集団で農耕に従事していたときからの、
肉食系の民族には一人一人が獲物を求めて駆け回っていたときからの遺伝子が組み込まれていて、
その影響から逃れることはできない。
そこで日本人の習性に即した方法として「勝つ」という目的ではなく、
「勝ち方、あるいは勝つために求められる技や作戦」という目標に向かって全力を傾けること。